不動産投資で節税はできる!仕組みや税金対策の効果が高い人を解説

不動産投資で税金対策する全貌を紹介!仕組みと失敗事例を徹底解説

「不動産投資は節税にならない?」

「不動産投資で税金対策ができる仕組みは?」

不動産投資による税金対策は、高収入サラリーマンなどの所得が多い方への節税方法として注目されています。

結論、不動産投資が節税対策につながるのは給与所得1,200万円、課税所得900万円以上の方からです。

不動産投資で節税対策になる方法は以下のとおりです。

節税可能な税金

高い節税対策を求める方は、損益通算による相殺を求める方法がおすすめです

不動産投資での税金対策
STEP
家賃収入から経費を差し引き「不動産所得」を計算
STEP
「不動産所得」が赤字になれば給与所得と損益通算ができる

損益通算とは・・
複数の所得(給与、不動産、事業など)を合計して、利益と損失を相殺する制度。

不動産投資で赤字が出ると、その分だけ給与所得が減ったとみなされ課税所得を減らせます。

課税年収900万円以上の方は、投資収益を重視した物件選択をおこなえば、減価償却費や各種経費の計上により確実な節税効果を期待できます。

減価償却費の計算イメージ

減価償却費は、建物部分の価格を耐用年数で割ることで、1年あたりに経費計上できる金額を求めます。

建物価格 ÷ 減価償却期間 = 1年あたりの減価償却費

例)建物価格7,000万円、減価償却期間10年の物件を購入した場合、1年あたりの減価償却費

7,000万円 ÷ 10年 = 700万円/年

不動産投資 × 損益通算の税金対策シミュレーション

STEP1:ご自身の年収を入力してください

必須 年収
万円

STEP2:検討している物件イメージを入力してください

必須 構造
必須 物件価格
万円
必須 建物割合
必須 想定表面利回り
任意 その他の年間経費
万円

しかし節税に効果的な課税年収の方でも、不動産投資の仕組みを理解しておかないと、節税できずただの赤字になり損をする可能性があります。

当記事では、不動産投資で節税に向いている年収やおすすめの物件種別、仕組みや注意点について解説します。

不動産投資で節税を検討しているかたは、この記事を確認した上で税金対策に進みましょう。

この記事でわかること
  • 不動産投資で節税ができる仕組み
  • 不動産投資で節税効果を最大化できる物件3選
  • 不動産投資の節税でよくある誤解
  • 不動産投資の節税対策をする際のシミュレーション手順
注釈

※2025年3月時点の中古マンションの実績値。空室期間は、原状回復完了日から次の入居者決定まで(退去前に次期入居者が決まった場合、最終賃料発生日から次の賃料発生日まで)の期間を指します。
※1:RENOSY会員数とは、これまでGA technologies グループでサービスを利用してきた顧客
※2:出典:株式会社タス(2025) 賃貸住宅市場レポート(首都圏版2025年1月)

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・評価基準・ランキング根拠の追加

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さらに不動産投資でも利用できる競売ローンの取扱いも行っておりますので、気になる方はぜひ以下からご確認ください。

目次

不動産投資で節税はできる!仕組みや税金対策の方法について解説

不動産投資の節税の仕組みを示した画像

不動産投資で税金対策ができる節税方法は、経費計上による所得控除・損益通算・法人化です。

税金の種類節税方法節税効果
所得税・経費計上による所得控除
・損益通算による相殺

※税率5~45%
住民税・所得税同様の控除効果
・所得割10%の軽減

※一律10%
法人税・法人化による軽減
・経費範囲の拡大

※税率約25%
贈与税・収益物件贈与による評価減
・賃貸中物件の評価額圧縮

※評価額20~30%減
相続税・小規模宅地等の特例
・建物評価額の圧縮効果

※評価額50~80%減

税負担を軽減したい方は是非活用を検討してください。

不動産投資で税金対策ができる節税方法
  • 経費計上による所得控除
  • 損益通算の活用で給与所得の税負担を軽減する方法
  • 税務上の枠組みを変える法人化による節税

経費計上は物件の購入や運営にかかる費用を経費にする方法で、課税所得を減らせるメリットがあります。

特に高所得者は不動産投資で発生した赤字を給与所得と相殺する損益通算により、大幅な税金対策効果を期待できます。

さらに投資規模が拡大した際には、法人化することでより効率的な税務対策も可能です。

ただし、それぞれの税金対策にはそれぞれ適用条件や注意点があるため、正しい知識を身につけて実践してください。

不動産投資初心者で税金対策が難しい方は、投資会社から専門のサポートを受けることがおすすめです。

RENOSY(リノシー)では、物件購入から税金対策まで一貫してサポートしており、初めての方でも安心して投資を始められる仕組みが整っています。

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    • ※2025年10月末時点

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注釈

※2025年3月時点の中古マンションの実績値。空室期間は、原状回復完了日から次の入居者決定まで(退去前に次期入居者が決まった場合、最終賃料発生日から次の賃料発生日まで)の期間を指します。
※1:RENOSY会員数とは、これまでGA technologies グループでサービスを利用してきた顧客
※2:出典:株式会社タス(2025) 賃貸住宅市場レポート(首都圏版2025年1月)

所得税・住民税は損益通算の活用で税負担を軽減できる

経費計上による節税効果

所得税・住民税は損益通算の活用で税負担を軽減する事ができます。

不動産投資では減価償却費やローン利息などを必要経費に計上して不動産所得を赤字にし、その赤字を損益通算で給与所得と相殺することで課税所得が下がります。

損益通算の仕組み

STEP
不動産投資にかかる経費を計上

不動産所得の金額は、次のように計算します。
総収入金額 - 必要経費 = 不動産所得の金額

国税庁|No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
STEP
経費が大きくなり、課税所得が小さくなる

課税所得=不動産投資による収入-経費
経費を多く計上するほど課税所得が少なくなる

不動産の課税所得が減っても給与所得の節税にならないのでは?

不動産投資で赤字になった際、給与所得の黒字と相殺することができます。
これが「損益通算」という制度です。

STEP
損益通算により所得税・住民税の軽減に繋がる

税率が課せられる給与所得が減ることで、税負担の軽減が期待できる

対象となる経費一覧
経費項目具体的な内容年間目安額節税効果計上頻度
減価償却費固定資産購入費を
使用期間に応じて
少しずつ経費として計上
建物価格÷耐用年数
※毎年継続
年1回
借入金利息ローンの利息部分借入額×金利
※投資初期
毎月
管理費
修繕費
管理委託費
設備修繕
家賃収入の5~15%毎月/随時
税金固定資産税
都市計画税
物件価格の1~2%年1回
保険料火災保険
地震保険
年間3~10万円年1回
交通費物件確認
管理の移動費
年間5~15万円随時

減税に最も効くのは減価償却費で、建物価値の減少分を毎年継続的に経費計上できます。

建物価値は購入時の「建物部分の取得価額」を基準にし、固定資産税評価額の比率で按分するのが一般的です。

さらに、不動産投資ローンの利息は経費として認められ、特に投資初期は利息負担が大きいため節税効果が高くなります。

年収別に損益通算による税負担の軽減効果をシミュレーションしてみたので、参考にしてください。

年収区分給与所得不動産所得(赤字)給与所得控除額損益通算後の所得軽減効果
年収400万円276万円-50万円124万円226万円
年収500万円356万円-100万円144万円256万円
年収600万円436万円-100万円164万円336万円
年収800万円620万円-150万円190万円470万円
年収1,000万円805万円-200万円195万円580万円

例)年収400万円の場合

年収400万円の人がどれくらい税金を払うかを考えるには、
まず「会社員の経費」として差し引かれる 給与所得控除 を計算します。

給与所得控除額
「400万円×20%+44万円=124万円」

給与所得(不動産投資なしの方)
400万円-124万円=276万円

給与所得(不動産投資ありの方)
276万円-50万円(不動産所得の赤字)=226万円

課税される所得が 226万円まで下がるので、そのぶん税金が安くなるという仕組みです。

さらに、基礎控除の48万円と社会保険料控除が引かれた金額が課税所得になります。

ただし、土地取得のための借入金利息は損益通算の対象外となるため注意が必要です。

贈与税・相続税は不動産の生前贈与や評価見直しで負担を抑えられる

贈与税と相続税は、現金そのものではなく評価額に税率をかけて計算します。

相続税の評価額選定基準の表

※出典:国税庁|土地家屋の評価

不動産は「相続税評価額(路線価や固定資産税評価など)」で評価するため、現金よりも低い評価額で課税対象になる傾向があります。

この性質を活かして、生前に段階的に不動産の持分を移す生前贈与と、不動産を賃貸化(評価見直し)して評価額を圧縮する方法を組み合わせると、トータルの税負担を抑えやすくなります。

不動産は現金よりも評価額が低く算定されるため、同じ1億円の資産でも課税対象が小さくなります。

具体的な節税要素

土地の貸家評価減貸家として運用中の土地は評価額を約20〜30%下げられる
時価のおよそ70〜80%
建物の貸家控除入居者がいる建物は約30%の評価減
時価のおよそ50〜70%
借入金の控除ローン残高を資産評価から差し引ける

不動産をうまく活用して現金資産を不動産に置き換えることで評価額を圧縮できるため、結果的に将来の相続税・贈与税の節税効果が期待できます。

評価圧縮の具体例
  • 現金:7,000万円(評価額:7,000万円)
  • 物件:木造アパート
    • 購入価格:7,000万円(土地3,000万円/建物4,000万円)

相続税評価額の計算

● 土地:3,000万円 × 0.7 = 2,100万円
● 建物:4,000万円 × 0.6 = 2,400万円
➡ 不動産の相続評価額:合計 4,500万円

評価額が下がることで得られる効果
  • 現金のまま相続
    • 7,000万円がそのまま課税対象
  • 不動産で相続
    • 4,500万円が課税対象

評価額を約2,500万円圧縮でき、相続税・贈与税の負担が大きく下がる

法人税は不動産を会社名義にして経費を広げることで負担を抑えられる

個人の所得税率が高い場合、法人設立による節税効果が期待できます。

不動産の法人化とは個人として行っていた不動産投資を、法人名義で行うことです。

法人化が節税に繋がる理由
  • 所得税よりも法人税の方が安い
  • 経費の範囲が広がる

個人・法人の比較

個人法人
課税所得所得税・住民税法人税・地方税
税率最大45%最大23.2%
経費の範囲実費中心役員報酬・退職金を含む

個人・法人の節税効果を所得税・法人税のみで比較してみたので参考にしてください。

年間不動産所得個人(所得税率)個人の税負担法人(法人税率)法人の税負担節税効果法人化メリット
500万円20%100万円30%150万円-50万円なし
800万円23%184万円30%240万円-56万円なし
1,200万円33%396万円30%360万円+36万円
1,500万円33%495万円30%450万円+45万円
2,000万円40%800万円30%600万円+200万円
3,000万円45%1,350万円30%900万円+450万円
※住民税や事業税、所得控除の差し引きは考慮していない

個人にかかる所得税の税率は計算が簡易的ですが、法人化して法人税の税率を計算するのは複雑です。

法人では計上できる経費の範囲が個人よりも広く、役員報酬や福利厚生費、接待交際費なども経費として認められます。

また、家族を役員にする所得分散や退職金の活用も、税金対策として有効です。

法人化は規模や所得水準によって効果が変わるため、税理士に相談することをおすすめします。

法人化による節税(前提条件)
  • 給与所得:1,500万円(税率:約43%)
  • 不動産所得:300万円
  • 法人税率:約23.2%

税額の計算

● 個人の税負担:300万円 × 43% = 129万円
● 法人の税負担:300万円 × 23.2% = 69.6万円
約59.4万円の節税

POINT
  • 個人税率は高所得ほど上がる(最大55%)
  • 法人税は23.2%で頭打ち
  • 役員報酬・福利厚生費・退職金も経費にできる

不動産投資で節税対策が期待できる物件の選び方3選!

税金対策を目的とした物件選び

不動産投資では物件によって税金対策の効果が大きく異なります。

そのため、不動産投資をする方は単純な収益性だけでなく、節税効果を最大化できる物件選びをしてください。

税金対策の効果が大きい物件は、以下の3つです。

不動産投資で税金対策を目的とした物件選び3選

税金対策の効果が高い物件の特徴は、減価償却費を多く取れる物件です。

具体的には、建物割合が高い中古の木造アパート(耐用年数22年)を選ぶと、効果的な税金対策ができます。

それぞれの特徴・耐用年数を参考にして、不動産投資の物件選びをしましょう。

耐用年数や自分にあった物件がわからないという方がわからない方は、不動産投資会社からサポートを受けることがおすすめです。

資産形成のノウハウから流れまで教えてもらえるので、不動産投資初心者の方は確認してみてください。

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※1:RENOSY会員数とは、これまでGA technologies グループでサービスを利用してきた顧客
※2:出典:株式会社タス(2025) 賃貸住宅市場レポート(首都圏版2025年1月)

残存耐用年数が短い中古の物件

中古物件を活用した税金対策では、残存耐用年数が短い物件が有効です。

耐用年数が短いほど建物価格を早いペースで、かつ多くの金額を経費として計上できます。

年間の減価償却費を計上することにより、短期間で大きな節税効果が期待できます。

築年数別に減価償却の効果を中古資産の耐用年数の計算式を参考に比較してみました。

年間減価償却率の計算「年間減価償却率=1÷耐用年数×100」で求められます。

構造・築年数法定耐用年数残存耐用年数年間減価償却率建物価格2,000万円の
年間償却額
節税効果
木造新築22年22年4.5%約91万円
木造築15年22年7年14.3%約286万円
木造築20年22年2年50.0%約1,000万円
木造築22年超22年4年(特例)25.0%約500万円
RC造新築47年47年2.1%約43万円
RC造築30年47年17年5.9%約118万円
RC造築35年47年12年8.3%約167万円
※耐用年数超過物件は法定耐用年数×0.2で計算
※所得税率30%の場合、年間償却額×30%が概算節税額

例えば木造築15年の場合、法定耐用年数は22年なので、残存耐用年数は7年です。

年間減価償却率は「1÷7年×100=14.3%」となります。

また、「建物価格×年間減価償却率」で年間償却額が分かります。

よって、建物価格2,000万円の場合、年間償却額は「2,000万円×14.3%=286万円」となります。

注釈

※2025年3月時点の中古マンションの実績値。空室期間は、原状回復完了日から次の入居者決定まで(退去前に次期入居者が決まった場合、最終賃料発生日から次の賃料発生日まで)の期間を指します。
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※2:出典:株式会社タス(2025) 賃貸住宅市場レポート(首都圏版2025年1月)

木造アパートまたはRC造マンション

税金対策を目的とした不動産投資では、構造による耐用年数の違いが節税効果に大きく影響します。

そのため、木造アパートやRC造マンションのように、投資目的に応じた物件の構造選びが重要です。

物件の構造別に節税効果を比較してみたので、参考にしてください。

項目木造アパートRC造マンション
耐用年数22年47年
年間減価償却率
※新築
4.5%2.1%
建物価格3,000万円
の年間償却額
約136万円約64万円
節税効果
※所得税率30%の場合
約41万円/年約19万円/年
償却完了期間短期長期
適用投資家高所得者・緊急節税中長期投資家
メリット・大きな年間節税額
・短期間での効果
・長期安定効果
・資産価値維持
デメリット・償却期間が短い
・修繕リスク高
・年間節税額小
・効果が長期分散
中古物件効果非常に高い
※残存年数短縮
中程度
※一定の短縮効果

木造アパートは耐用年数が22年と短いため、短期間で大きな減価償却費を計上できます。

減価償却費を早い段階で多く計上できれば、その分だけ課税所得を減らせるため、支払う税金を抑えやすくなります。

つまり、高所得者が緊急的に節税効果を求める場合に最適です。

特に中古の木造物件なら残存耐用年数がさらに短くなるため、年間の償却額を大幅に増やせます。

一方、RC造マンションは耐用年数が47年と長期にわたるため、年間の減価償却費は木造より少なくなります。

しかし、長期間にわたって安定した節税効果を継続できるので、中長期的な資産形成と節税を両立させたい投資家に最適です。

建物比率60%以上の物件

不動産投資における減価償却は、土地部分のみ対象外になります。

いくら高額な物件を購入しても、土地比率が高い物件では十分な減価償却費を計上できません。

つまり、建物比率が60%以上の物件を選べば、節税効果を期待できます。

建物の比率別に減価償却の効果を比較してみたので、参考にしてください。

物件タイプ土地比率建物比率購入価格5,000万円での建物価格年間減価償却費節税効果
都心高級マンション70%30%1,500万円約32万円
都心中古マンション60%40%2,000万円約43万円小〜中
郊外新築アパート40%60%3,000万円約136万円中〜大
地方アパート30%70%3,500万円約159万円
地方中古アパート25%75%3,750万円約170万円
※木造22年で計算(年間減価償却率4.5%)
※RC造の場合は約半分の償却費となる
※節税効果は所得税率により変動

都心の高級マンションは土地比率が70%、建物比率が30%となることが多く、節税効果が限定的です。

一方、地方のアパートは土地比率30%、建物比率70%となるケースが多く、大幅な節税効果が期待できます。

物件選びの際は立地や利回りだけでなく、建物と土地の按分比率を確認し、建物比率の高い物件を優先的に検討してください。

不動産投資を節税で利用する際のよくある誤解!注意点を理解して損失を防ごう

税金対策でよくある誤解

不動産投資では正しい知識を身に付けないと、良かれと思っていた税金対策で損失を招く可能性があります。

そのため、不動産投資を始める前に、税金対策でよくある誤解を理解しておくことが重要です。

不動産投資の税金対策でよくある誤解
  • 節税は誰でもできるわけではない
  • 赤字になれば必ず節税になるわけではない
  • 減価償却費は永続的な節税効果ではない
  • 法人化すれば必ず節税になるわけではない

節税効果と比べて、実際の損失や税負担が大きくなってしまうと税金対策になりません。

誤解を避けるためには、目先の節税効果だけでなく、長期的な視点でどれくらいのリターンが来るかを重視してください。

正しい投資判断ができれば税金対策と資産形成が両立するので、よくある誤解の詳細を確認してください。

赤字になれば必ず節税になるわけではない

不動産所得の赤字は損益通算で節税効果がありますが、実際の現金支出による赤字では損失の方が大きくなります。

つまり、「赤字になれば必ず節税になる」という考え方はよくある誤解です。

項目実際の現金支出による赤字減価償却費による
帳簿上の赤字
現金の流れ実際にお金が出ていく現金支出なし
(帳簿上のみ)
節税効果あり
(ただし損失の方が大きい)
あり
(純粋な節税効果)
投資収益マイナスプラス
(理想的な状態)
具体例修繕費、管理費超過建物の減価償却
投資判断避けるべき積極的に活用すべき

例えば、年収600万円の会社員が月10万円の赤字物件を所有した場合、年間120万円の赤字になります。

約24万円の節税効果になりますが、実際には96万円の損失が発生するので得ではありません。

不動産投資では、キャッシュフローがプラスでありながら、帳簿上は減価償却費により赤字となる状態が理想的です。

減価償却費は永続的な節税効果ではない

「減価償却費は永続的な節税効果」という誤解

減価償却費による節税効果は永続的ではなく、必ず終了する有限なものです。

そのため、減価償却期間終了後の税負担増加と、売却時の譲渡所得税まで考慮した投資判断が必要になります。

減価償却費の節税効果を1~22年目、23年目以降、売却時の3つにわけて確認してください。

期間1~22年目
※減価償却期間中
23年目以降
※減価償却期間終了後
売却時
年間減価償却費136万円
※例:3,000万円÷22年
0円
年間所得税軽減額約27万円
※税率20%の場合
0円
税負担の変化軽減急激に増加譲渡所得税が高額化
取得費への影響毎年減少減価償却累計額が減少売却益が大幅増加
節税効果高い低い一時的には高く見えるが、
長期的には限定的

例えば木造アパートの場合、減価償却期間は22年間です。

22年間は毎年大きな減価償却費を計上でき、高い節税効果が得られます。

しかし、償却期間が終了すると減価償却費はゼロとなり、同じ家賃収入でも税負担が重いです。

さらに、減価償却費として計上した分は売却時の取得費から差し引かれるため、譲渡所得が大幅に増加し、譲渡所得税が発生します。

減価償却による節税効果は一時的なものであり、長期的な税負担を考慮すると限定的です。

法人化すれば必ず節税になるわけではない

法人化による節税効果は所得水準や投資規模によって大きく異なり、必ずしも節税になるとは限りません。

そのため、個人の状況を詳しく分析してから法人化を検討する必要があります。

個人または法人で投資するのが有利なケースをまとめたので、参考にしてください。

項目個人で投資するのが
有利なケース
法人で投資するのが
有利なケース
年収目安700万円以下1000万円以上
投資規模1~2物件程度3物件以上または大規模
所得税率20%以下33%以上
法人維持コスト負担が重い相対的に軽い
税務処理比較的簡単複雑(専門家必須)
節税効果限定的大きい
相続対策不要有効
判断基準シンプルな投資事業的規模での投資

法人化には設立費用や毎年の税理士報酬、決算書類作成費用などの維持コストが発生します。

コストを考慮すると、小規模な不動産投資では法人化によって負担が増加する可能性があります。

さらに、法人から個人への利益移転時には役員報酬や配当に対する所得税も課税対象です。

法人で利益を内部留保する場合も、将来的に個人に移転する際の税負担を考慮する必要があります。

法人化のタイミングがわからない方は、税理士に相談してください。

不動産投資が節税対策になる人とならない人の違いは?課税所得別に紹介

不動産投資の節税効果は「課税所」の帯で大きく変わります。

課税所得とは、1年間のすべての所得から各種控除を差し引いた金額です。

この金額に応じて所得税の税率が段階的に上がり、住民税と合算した合計税率が高いほど、同じ経費でも戻る税金が増える仕組みになります。

100万円の不動産赤字を作った場合の節税額イメージ

スクロールできます
年収の目安(会社員)合計税率の目安節税額
(100万円の赤字)
節税効果
約1,200万〜2,400万円約43%
(所得税33%+住民税10%)
約43万円
大きい
約900万〜1,200万円約33%
(所得税23%+住民税10%)
約33万円
小さい
手間やリスクに見合いにくい

税率が低い帯では手間やリスクに見合う節税インパクトを得にくくなります。

この税率差が、不動産投資を税金対策として活用すべき人と、別の方法を優先すべき人を分ける基準になります。

ここでは目安となる「課税所得900万円」を軸に、効果が出やすいケースと出にくいケースを表と具体例でわかりやすく解説します。

課税所得900万以上の人は節税対策になる可能性が高い

課税所得が900万円を超えると所得税率が33%に上がり、住民税の所得割と合わせた合計税率がおおむね約43%になります。

累進課税の所得金額

※出典:国税庁|所得の税率

この帯の人が不動産投資で減価償却費やローン利息を経費計上して不動産所得を赤字にすると、損益通算により給与所得の課税所得を直接圧縮できます。

同じ赤字額でも合計税率が高いほど戻る税金が大きくなるため、税金対策としての費用対効果が高くなります。

節税だけを目的にせず、キャッシュフローや将来の売却まで含めて総合で判断すると、節税と資産形成の両立を実現しやすくなります。

課税所得900万円超の人:赤字額別の節税インパクト

年間の不動産赤字合計税率の目安軽減される税金の目安
50万円約43%約21.5万円
100万円約43%約43.0万円
150万円約43%約64.5万円

課税所得900万以下の人は手間がかかるだけであまり節税に効果は期待できない

課税所得が900万円以下の帯では合計税率が相対的に低く、損益通算で戻る税金が小さくなりやすいため、不動産投資を節税目的だけで始めると手間やリスクに見合わない結果になりやすくなります。

まずは低リスクの対策を優先し、赤字前提の投資を避けるようにしましょう。

低リスクの税金対策

それでも不動産投資で節税を狙いたい場合は、青色申告を選択して控除や経費計上の幅を最大化し、帳簿と申告の精度を高める運用に切り替えてください。

青色申告は手続きと記帳の負担が増える一方で、特別控除や損失の繰越などのメリットがあるため、実行するなら準備と運用ルールを明確にして進めてください。

課税所得900万円超の人:赤字額別の節税インパクト

年間の不動産赤字合計税率の目安軽減される税金の目安
50万円約33%約16.5万円
100万円約33%約33.0万円
150万円約33%約49.5万円

不動産投資で節税を狙うときによくある失敗事例を紹介

不動産投資の失敗事例や注意点を示した画像

不動産投資で間違った知識や判断で税金対策をしても、予想外の損失を招くケースが数多く存在します。

なぜなら、短期的な税務メリットのみに注目した投資判断は、長期的には大きな失敗につながる可能性があるからです。

不動産投資の税金対策する際の失敗事例や注意点
  • 短期的な節税効果にとらわれて投資全体の収益で損をした
  • 建物比率の過大計上で過少申告加算税が発生した
  • 個人の方が税率が低いのに法人化してしまった
  • 過度な経費計上が税務調査で否認されて追徴課税が発生した
  • キャッシュフローより節税効果を優先してしまった

税金対策はあくまで投資戦略の一部であり、全体の収益性とリスクを総合的に判断する必要があります。

よくある失敗事例を参考にして、節税効果の高い不動産投資をしましょう。

不動産投資の税金対策を最大限発揮するために、失敗事例や注意点を解説します。

短期的な節税効果にとらわれて投資全体の収益で損をした

短期的な節税効果を重視しすぎると、投資全体では大きな損失を招く可能性があります。

そのため、節税効果だけでなく、長期的な収益性とリスクを総合的に判断することが重要です。

仮に年収1,500万円の会社員が、節税目的で築22年の木造アパート(3,000万円)を購入した失敗事例を紹介します。

期間1~4年目5年目以降売却時(5年後)
減価償却費年間750万円0円
節税効果年間約150万円0円
空室率10%30%以上
修繕費年間50万円年間200万円以上
投資家の心理「大きな節税効果」で満足「想定外の負担」で困惑「大損失」で後悔
実際の収支プラス(見かけ上)大幅マイナス数百万円の損失
物件価値維持大幅下落2,000万円程度

当初4年間は大きな減価償却費により、年間約150万円の節税効果を得ました。

しかし、減価償却完了後は税負担が急激に増加し、同時に築年数の経過により空室率が上昇、修繕費も急増しました。

さらに減価償却により帳簿上の取得費が大幅に減少していたため、売却時には高額な譲渡所得税が発生しました。

物件価値の下落と合わせて、5年後の売却における損失は数百万円となりました。

不動産投資の失敗を避けるには、目先の節税効果に惑わされず、長期的な投資戦略を立てることが大切です。

建物比率の過大計上で過少申告加算税が発生した

減価償却費を増やす目的で建物比率を過大に計上すると、税務調査で指摘され重いペナルティが課されるリスクがあります。

そのため、建物比率は固定資産税評価額等を参考にして、正確な数値を計上するようにしてください。

過大に計上したときと適正に計上したときをシミュレーションしてみたので、参考にしてください。

項目過大に計上適正に計上
建物比率67%
(2,000万円)
33%
(1,000万円)
土地比率33%
(1,000万円)
67%
(2,000万円)
年間減価償却費約91万円約45万円
年間節税効果約18万円約9万円
税務調査結果指摘・修正申告問題なし
過少申告加算税10%なし
延滞税追加課税なし
最終的な負担大幅な追徴課税適正な税負担
リスク極めて高い低い

ある投資家が実際の建物比率33%を67%として計上したケースでは、当初は高い節税効果を得ていました。

しかし、税務調査で過大計上が発覚し、修正申告となりました。

過少申告加算税10%と延滞税が発生するので、課される追徴税額は想定を大幅に超える金額です。

建物比率は固定資産税評価額を参考に適正範囲で設定し、税理士と相談しながら慎重に判断してください。

個人の方が税率が低いのに法人化してしまった

所得水準が低い段階での安易な法人化は、かえって税負担や維持コストの増加を招くリスクがあります。

つまり、法人化は現在の所得水準と維持コストを十分に検討してから実行することが重要です。

年収800万円のサラリーマンが不動産投資2年目に法人を設立したケースを例に、個人投資時と法人化後の差額を比較します。

項目個人投資時法人化後差額
適用税率20%
(所得税+住民税)
23.2%
(法人税等)
+3.2%
年間維持費0円50万円+50万円
社会保険料給与分のみ役員報酬分追加+約30万円
税務処理比較的簡単複雑
(専門家必須)
年間負担増約80万円
解散時コストなし約30万円+30万円
総合評価適正過剰な負担大幅マイナス

個人の所得税率20%に対して法人税率23.2%と、実は個人の方が税率が低い状況でした。

さらに法人維持費年間50万円と社会保険料負担により、年間約80万円の負担増となり投資収益を圧迫しました。

法人化が有効なのは、一般的に年収1,000万円以上かつ相当額の不動産所得がある方です。

所得水準が低い段階での法人化は、かえって税負担が重くなります。

キャッシュフローより節税効果を優先してしまった

節税効果を優先しすぎてキャッシュフローを軽視すると、継続的な損失により資金繰りが悪化するリスクがあります。

そのため、節税効果よりもキャッシュフローを優先して投資判断をおこなうことが重要です。

ある投資家が節税効果を重視し、毎月10万円の持ち出しが発生する物件を購入した失敗例と理想的な投資例を比較してみました。

項目節税重視の失敗例理想的な投資例
月間
キャッシュフロー
-10万円(持ち出し)+3万円(黒字)
年間
キャッシュフロー
-120万円+36万円
年間節税効果50万円30万円
実質収支-70万円(損失)+66万円(利益)
資金繰り悪化良好
投資継続性困難(売却必要)可能
長期的結果大幅損失安定収益
投資判断失敗成功

失敗例では年間120万円の持ち出しに対して節税効果が50万円なので、実質70万円の損失が継続しました。

継続的な持ち出しにより資金繰りが悪化し、最終的に売却を余儀なくされ数百万円の損失となりました。

持ち出しが発生する物件は、どれほど節税効果があっても根本的に不動産投資として成立しないので注意してください。

不動産投資の節税シミュレーションするには?税金対策につながる手順を5ステップで紹介

税金対策シミュレーションの手順

不動産投資の税金対策を実際におこなう手順を5ステップで紹介します。

何から手を付ければいいかわからない方は以下の手順に沿って進めることで、効率的に税金対策ができます。

不動産投資の税金対策をする際の
シミュレーション手順5ステップ
  1. 経費の計算
  2. 不動産収入と不動産所得の計算
  3. 税額計算
  4. 減価償却による節税効果(赤字の場合)
  5. 青色申告特別控除の効果

なお、不動産投資のシミュレーションは以下を想定して計算してみました。

物件情報や物件価格などを自身の状況と比較して、シミュレーション結果を参考にしてください。

シミュレーションに該当しない場合、計算する数字が異なるので注意しましょう。

想定するシミュレーション
  • 物件情報:中古マンション(築10年、RC造)
  • 物件価格:3,000万円(土地1,200万円、建物1,800万円)
  • 年間家賃収入:240万円(月額20万円)
  • 融資条件:2,500万円借入、金利2.5%、期間25年
  • 給与所得額:800万円

ステップ1:経費の計算をする

ステップ1は経費の計算から始めます。

不動産投資における経費計算は、投資の収益性を正確に把握する重要な要素だからです。

経費計上の手順
  • 経費にできる支出を洗い出しリスト化
  • 年間経費の合計を算出
  • 経費計上の証拠を残す

確定申告時に、税務署から経費の根拠資料の提示を求められることがあります。

支出金額は領収証や請求書・契約書で確認し、7年間証拠資料として残しておくことが義務付けられています。

修繕費・広告費・交通費などは証拠不足になりやすいため注意が必要です。

シミュレーションする物件の場合、年間経費は約163万6,000円となります。

経費項目計算根拠年間金額備考
減価償却費1,800万円÷37年48万6,000円現金の
支出なし
借入金利息2,500万円×2.5%
(初年度)
62万円年々減少
固定資産税評価額の1.4%程度15万円年1回
火災保険料年間保険料5万円必須
地震保険料年間保険料3万円任意
(推奨)
管理委託手数料家賃収入の5%12万円月額10万円
修繕積立金月額1.5万円18万円将来修繕用
経費合計163万6,000円

最大の経費項目は借入金利息の約62万円で、次に重要なのが減価償却費の48万6,000円です。

借入金利息と減価償却費は経費の大部分を占めるので、計上する際は欠かせません。

また、RC造マンションの場合、築10年で残存耐用年数37年となるため、建物価格1,800万円を37年で割って算出します。

その他の実費の支出と保険料の計上をすると、163万6,000円を算出できます。

ステップ2:不動産収入と不動産所得の計算をする

経費の合計を算出したら、不動産収入の内訳を確認して不動産所得を計算します。

不動産投資における収入計算では、家賃収入だけでなく付帯収入も含めて総合的に評価する必要があります。

不動産収入家賃・共益費・礼金・更新料など、物件から得た総収入
不動産所得不動産収入 − 経費

不動産収入計算の際に、集計を行う項目は主に以下です。

  • 家賃収入
  • 共益費・管理費
  • 礼金・更新料
  • 駐車場代
  • 敷金・保証金

不動産収入から経費を差し引いた不動産所得を、確定申告書に記入します。

シミュレーションする物件の場合、不動産収入は共益費と駐車場代込みで年間264万円と仮定します。

収入項目月額年間金額
家賃収入20万円240万円
共益費1万円12万円
駐車場代1万円12万円
不動産収入合計22万円264万円

続いて不動産所得の計算をします。

不動産所得は不動産収入から必要経費を差し引くだけなので、計算が簡単です。

項目金額
不動産収入合計264万円
必要経費合計163万6,000円
不動産所得100万4,000円

つまり、所得税・住民税の課税対象となるのは100万4,000円です。

ただし、不動産所得には減価償却費48万6,000円という、現金支出を伴わない経費が含まれています。

手元に残る現金は「100万4,000円+48万6,000円=149万円」となるので覚えておきましょう。

ステップ3:税額計算をする

不動産収入と不動産所得の計算をしたあとは、税額の計算をして税負担の変化を把握する必要があります。

不動産投資で支払う主な税金は所得税・住民税の二つです。

税額計算の流れ
  • 課税所得を求める(収入-控除)
  • 所得税を算出
  • 住民税を算出
  • 合計額から税負担を確認

不動産投資では、収入が増える一方で税金の負担も変わるため、実際の手取りを把握することが重要です。

そのため、投資前(給与所得のみ)と投資後(不動産所得あり)を確認して、税額合計を比較してみましょう。

給与所得800万円のサラリーマンが不動産投資前で税額計算した場合、合計金額は124万3,500円です。

項目
※投資前(給与所得のみ)
金額
給与所得800万円
給与所得控除195万円
所得控除
(基礎控除等)
48万円
課税所得800万円-195万円-48万円
=557万円
所得税557万円×20%-42万7,500円
=68万6,500円
住民税557万円×10%
=55万7,000円
税額合計68万6,500円+55万7,000円
124万3,500円
詳細な数式はちら
課税所得800万円-195万円-48万円
所得税557万円×20%-42万7,500円
住民税557万円×10%
税額合計68万6,500円+55万7,000

続いて不動産投資後の場合は不動産所得を計上するので、不動産前の税額合計とは異なります。

給与所得800万円のサラリーマンが不動産投資をして不動産所得がある場合税額合計は154万4,700円です。

項目
※投資後(不動産所得あり)
金額
給与所得800万円
不動産所得100万4,000円
総所得900万4,000円
給与所得控除195万円
所得控除
(基礎控除等)
48万円
課税所得900万4,000円-195万円-48万円
=657万4,000円
所得税657万4,000円×20%-42万7,500円
=88万7,300円
住民税657万4,000円×10%
=65万7,400円
税額合計88万7,300円+65万7,400円
154万4,700円
詳細な数式はちら
課税所得900万4,000円-195万円-48万円
所得税657万4,000円×20%-42万7,500円
住民税657万4,000円×10%
税額合計88万7,300円+65万7,400円

つまり、税負担増加は投資前と投資後の差額から「154万4,700円-124万3,500円=30万1,200円」となります。

税負担の増加額30万1,200円は、不動産所得100万4,000円の約30%に相当します。

不動産所得の増加は課税所得の増加を意味するため、税負担も比例して増える点には注意が必要です。

ステップ4:減価償却による節税効果(赤字の場合)を確認する

減価償却費を活用した経費計上で不動産所得が赤字の場合、黒字よりも大幅な節税効果が期待できます。

減価償却:建物や設備の価値を使用年数に応じて少しずつ経費にしていく仕組み

減価償却による節税の手順
  • 建物価格を把握(土地は除外)
  • 構造別の耐用年数・償却率を確認
構造別償却率はこちら
減価償却費の計算式

減価償却費 = 建物価格 × 償却率(構造別)

構造耐用年数償却率
木造22年0.046
軽量鉄骨27年0.038
RC造(鉄筋コンクリート)47年0.022
  • 年間の減価償却費を経費に計上
  • 赤字の場合は損益通算で節税

赤字が生じると他の所得と損益通算できるため、結果的に全体の課税所得を減らすことができます。

つまり、不動産収入から総経費を差し引いて、不動産所得が赤字化する状態が望ましいです。

やり方はステップ1で算出した年間の経費合計163万6,000円に加えて、以下の追加経費を計上してください。

項目金額
設備投資(即時償却)100万円
修繕費50万円
追加経費の合計100万円+50万円
=150万円
基本経費163万6,000円
総経費150万円+163万6,000円
=313万6,000円
詳細な数式はこちら
追加経費の合計100万円+50万円
総経費150万円+163万6,000円

不動産収入の264万円から総経費の313万6,000円を差し引くので、不動産所得は49万6,000円の赤字となります。

投資前と投資後の税負担を比較して、赤字の方が税額合計が少ないことを確認しましょう。

項目投資前投資後(黒字)投資後(赤字)
給与所得800万円800万円800万円
不動産所得0円100万4,000円-49万6,000円
合計所得800万円900万4,000円750万4,000円
給与所得控除195万円195万円195万円
所得控除48万円48万円48万円
課税所得557万円657万4,000円507万4,000円
所得税68万6,500円88万7,300円58万7,300円
住民税55万7,000円65万7,400円50万7,400円
税額合計124万3,500円154万4,700円109万4,700円

ステップ5:青色申告特別控除の効果を確認する

青色申告特別控除の65万円を活用することで、不動産投資の節税効果が期待できます。

青色申告とは

個人事業主や不動産所得を持つ人が、一定の帳簿をつけて正確に申告することで、税金の優遇(節税)を受けられる制度です。

「きちんと記録をつけて税務署に申告すれば、その分、税金を安くしますよ」という制度です。

青色申告を利用するには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

不動産所得が赤字の場合

青色申告特別控除の65万円を適用すると、課税所得は442万4,000円まで減少します。

よって税額は89万9,700円まで下がり、青色申告の適用により追加で19万5,000円の節税となります。

項目金額
課税所得442万4,000円
所得税45万7,300円
住民税44万2,400円
税額合計89万9,700円
追加節税効果19万5,000円
詳細な数式はこちら
課税所得507万4,000円-65万円
所得税442万4,000円×20%-42万7,500円
住民税442万4,000円×10%
追加節税効果109万4,700円-89万9,700円

不動産投資における税務戦略を総合すると、以下の結果になります。

シミュレーションを参考にして、不動産投資の税金対策をしてください。

節税効果のまとめ
  • 黒字の場合は税負担が30万1,200円増
  • 赤字の場合は損益通算により14万8,800円減
  • 青色申告特別控除でさらに19万5,000円の節税
  • 最大節税効果は年間34万3,800円

ただし、青色申告には複式簿記による帳簿作成貸借対照表・損益計算書の作成が義務付けられています。

税理士費用などの追加コストも考慮する必要があるので、費用対効果を慎重に検討してください。

不動産投資の税金対策におけるよくある質問を確認する

不動産投資の節税対策について、投資初心者の方から寄せられるよくある質問をまとめました。

不動産投資の税金対策におけるよくある質問
  • 不動産投資の節税でメリットがある年収はいくら?
  • ワンルームマンションに投資するのは節税にならない?
  • 不動産取得税が免除される条件は?

ここでは、よく寄せられる質問と回答を通じて、不動産投資の税金対策における正しい知識と判断基準を解説します。

適切な情報に基づいた投資判断をすれば、税務リスクの回避につながりやすいです。

効果的な資産形成と長期的な投資収益の最大化を実現して、自信を持って実行できる税金対策をしましょう。

ワンルームマンションに投資するのは節税にならない?

ワンルームマンション投資による節税効果は限定的です。

多くのケースでは「ローン返済+管理費+修繕積立金+税金」よりも家賃収入が低く、毎月の持ち出しが発生するためです。

新築ワンルームマンションは特に物件価格が高く、減価償却費も47年の長期間に分散されます。

そのため、年間の償却額が少なく十分な節税効果を得られません。

また、管理費や修繕積立金が高額で、実質利回りが大幅に低下する傾向があります。

投資を検討する場合は立地・収益性・流動性を総合的に評価し、長期的な資産価値の維持が見込める物件を選択することが重要です。

節税効果は二の次で、まずは投資として成立しているかを確認してください。

不動産取得税が免除される条件は?

不動産取得税が免除になる主な条件は、以下の4点です。

不動産取得税免除の主な条件
  • 公共事業のための取得
  • 相続による取得
  • 法律・条例で非課税とされる取得形態である
  • 免税点以下の不動産を取得

不動産取得税は「土地や建物を取得したとき」に課される地方税で、課税の可否・税額は「課税標準額(固定資産評価額)」を基に決まります。

各種別の免税とされる課税標準額は以下です。

土地10万円未満
新築家屋23万円未満
中古家屋12万円未満

取得前に物件が免除・軽減の対象になるかを確認するには、取得価格ではなく「固定資産評価額」がベースになります。

地域によって独自の免除・軽減制度があるため、物件所在地を管轄する都道府県税事務所や市役所税務課に、直近の制度と必要手続きを確認しましょう。

不動産投資で税金対策するポイントは過度な節税を追求しない

税金対策をする時のポイント

不動産投資による税金対策は、適切な知識と戦略があれば有効な節税手段となります。

そのため、不動産投資をする方は、経費計上による所得控除や損益通算を活用して税金対策をしてください。

項目内容効果・注意点
対象年収700万円以上の
サラリーマン
所得税率20%以上で
節税効果が高い
主要節税方法①経費計上
②損益通算
③法人化
経費計上と
損益通算が基本
効果的な物件築古木造アパート
(建物比率60%以上)
残存耐用年数が短く
償却額が大きい
法人化の目安年収1,000万円以上
投資規模拡大時
維持コストを考慮
重要な点収益性第一税金対策は二の次

税金対策で重要な点は、減価償却費や借入金利息などの経費を最大化し、建物比率の高い中古物件を選択することです。

木造アパートのような残存耐用年数の短い物件では、年間の償却額が大きくなり高い節税効果を得られます。

ただし、節税効果のみを追求した投資は失敗リスクが高く、キャッシュフローを軽視すると継続的な損失を招く可能性があります。

重要なのは収益性を第一に考え、その結果として節税効果も得られる物件選びです。

短期的な節税効果に惑わされず、長期的な投資戦略を構築することを心がけましょう。

この記事の監修・アドバイザー

藤原七海のアバター 藤原七海 宅地建物取引士

国立大学経済学部卒業。コンサルティングファームでの実務経験を経て、行政書士として活動。
保有資格は、行政書士、FP2級、証券外務員1種、日商簿記検定2級、宅地建物取引士、PMP。
不動産領域に関する制度内容やリスクを正確に整理して説明します。

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